プロ野球球界を揺るがした事件

球界

現在の日本プロ野球はセリーグ6チームとパリーグ6チームの12球団による2リーグ制が維持されていますが、かつて2リーグ制の枠組みが大きく崩れそうになったという球界をゆるがす大きな事件がありました。その発端となったのが2005年(平成17年)に発生した唐突な球団合併構想です。

プロ野球の球団を企業として維持するためには莫大な費用がかかるために、資金に余裕のある企業が親会社となり経営するというスタイルが一般的で、親会社の経営状況によっては身売りも頻繁に行われていました。国鉄がヤクルトに、日拓が日本ハムに、ダイエーがソフトバンクに経営権を移譲したなど数多くの例があります。しかし2005年の近鉄の発表は同じ在阪球団のオリックスとの球団合併というこれまでに例のないものでした。

もしもこの構想が実現するとパリーグが5球団となってしまい、伝統的なセパ12球団の体制が大きく崩れてしまうこととなります。そのためにリーグを1つに統合し、球団数を10球団とする1リーグ構想が提唱されるなど球界は騒然となりました。

選手会による史上初めてのストライキなどもあり、1リーグ構想や球団減となる事態は回避され、近鉄とオリックスの合併によるオリックスバファローズの誕生、新規参入球団として東北楽天ゴールデンイーグルスが誕生し現在に至っています。選手の移籍などで戦力バランスの不均衡が生じましたが、その後は安定化し、セパ交流戦の開催やクライマックスシリーズの導入など様々な改革が行われプロ野球人気は現在も継続しています。