コミッショナーが関わったプロ野球の事件

コミッショナー

コミッショナーは日本プロ野球界の最高責任者で、現在は検察官出身の方が務めています。そんな地位の方がプロ野球界を揺るがすような事件として記憶に新しいのが、2013年に日本プロ野球協会が勝手に公式球を反発力の強いボールにしていた事件です。今まで外野フライで終わっていたはずの飛球がスタンドまで届いてしまうことが続き、現場の選手からおかしい、という声が出てきたため、シーズン途中の6月になって当時のコミッショナーがボールに手を加えたことを発表した、というのがありました。

変えるのであれば変える、と堂々と発表すればよいものをコソコソやり、自分は聞いていなかったと弁明した姿には多くの選手・ファンから失望の声が上がり、その年のうちに辞任に追い込まれました。それを超えるような事件が1978年に発生しています。「空白の1日」で知られている、江川卓投手の読売ジャイアンツ入団にかかわる騒ぎです。

前年のドラフトで他のチームからの1位指名を拒否していた江川投手はその交渉権が切れる日に読売と契約を結んでしまい、それを無効だと主張する他チームに反発してその年のドラフト会議を欠席するなど、大ごとになりました。その騒動を終結させようと当時のコミッショナーが動いたのですが、アンフェアな主張をした読売の言うことを聞くようなお沙汰を出して世間を唖然とさせました。かくして江川投手はダーティーなイメージがつきまとい、犠牲となった小林投手は悲劇のヒーローの扱いをされることになりました。