プロ野球の事件後の復権

復権

1969年のプロ野球シーズンで大規模な八百長が行われていたことが発覚し、特に悪質に関与していたとされる6名の選手が永久追放という処分を受けました。これが、プロ野球史上最大の不祥事の一つ「黒い霧事件」の基本的な内容です。この結果、主力選手が多数処分を受けた当時の人気球団西鉄ライオンズは、ファンからの信頼されなくなり1972年には身売りされることになります。

なお、永久追放された6名の選手の中には、入団5年で99勝を挙げていたエースも含まれていました。この人物は、当初から一貫して八百長を否定しており、刑事事件としては不起訴となったのですが、日本野球機構からの処分は変わりませんでした。このために、6年目のシーズン途中でプロ野球選手としてのキャリアは終了することになったのです。

その後、当時の同僚選手や有名人の間で、この悲運のエースを復権させる運動が行われるようになりました。21世紀に入るとその動きはさらに大きくなり、OBクラブ主催のイベントに参加できるようになります。そして、2005年の4月25日に処分が解除されることになり、35年ぶりに復権したのです。これにより、以降はプロ野球の解説者や指導者として活動することが可能となっています。