中日で起きたプロ野球の事件

中日

プロ野球セ・リーグに所属する中日ドラゴンズは、過去にリーグ優勝9回、日本シリーズも2回制するほどの球団ですが、一時は球団存続の危機に直面するような事件がありました。俗に言う「中日スタヂアム事件」です。このスタヂアムは、1948年に完成した当時のドラゴンズの本拠地です。途中火災により焼失するも1952には再建され、長くファンに愛されていました。

しかし、スタヂアムの運営会社が多額の負債を抱え1973年に突如倒産、ドラゴンズの本拠地球場が無くなるという事態に発展します。当時運営していた会社が、不動産投資など多方面に事業を展開したため経営に行き詰まったあげく、発行した手形が反社会的勢力により安く買い叩かれてしまい再建不能に陥り、社長が自ら命を絶ち倒産したのが原因です。

この事件では、価値の無くなった運営会社の手形が他の企業にも半ば強引に売られ、詐欺にあった多くの会社が倒産したうえに、首謀者による殺人事件も発覚するなど、プロ野球界のみならず社会をも巻き込む事態となりました。本拠地を失ったドラゴンズでしたが、1974年と1975年は債権者から中日スタヂアムを間借りし、1976年以降は完成したナゴヤ球場を本拠地とすることで、存続の危機を乗り越えています。