事件を起こしたプロ野球選手の書文

プロ野球選手が何らかの事件を起こした場合、その処分はコミッショナーである日本野球機構(NPB)会長が最終的な判断を行いますが、その最も重い処分は「失格」です。これに指名された選手はNPBおよび機構と選手契約協定を結んでいる地域でプレーをすることができなくなり、事実上野球選手としての道は断たれることになります。失格には1年間の有期、無期、永久の3種類があり、永久失格が一番重い裁定ですが、一定の期間善行を保持し続ければ、失格者本人の申し出を受けて、コミッショナーが失格を解除する可能性があります。

実際に、1969年に発覚した黒い霧事件で永久に失格となったプロ野球選手の1人が、2005年に失格が解除され、球界復帰が認められたケースがあります。この選手は、八百長に関与していた先輩選手に命じられて金銭を預かっていただけで、八百長には一切関わっていませんでしたが、当時のNPBは預り金を返さなかったことや、八百長勧誘の事実をNPBに報告しなかったことなどを理由に永久失格としました。その後、野球界や政界、芸能界の多くの人が何度も復権を認める嘆願書をNPBに提出しましたが却下され続け、2005年に野球協約を改正したことでようやく復権が実現しました。

失格以外の処分は、重い順に「資格停止」「制限選手」「出場停止」となっています。2015年と2016年に発覚した野球賭博問題では、関与した4人の選手のうち3人が無期失格となり、1人は1年間の資格停止となりました。資格を停止された選手は1年後に解除された後、育成選手契約を結んで、再び現役選手として活動をしています。

処分